2014年4月8日火曜日

FFF/FDM方式のローエンド3Dプリンターの動向

久しぶりの更新です。個人的に気になっている3Dプリンター関連の動向をまとめました。主にFDM系の家庭用3Dプリンターについてです。

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photo credit: Johann C. Rocholl via photopin cc

寸法精度の改善?

3Dプリンターの性能というと積層ピッチがどうしても注目されますが、個人的に重視しているのは寸法精度の改良についてです(FFF/FDMだと積層ピッチを細かくしても表面仕上げに限界がありますし…) 最近は寸法精度の改善につながりそうな要素が出そろってきた印象です。

寸法精度とは、どれだけ正確にデータの形状を再現できるか、という精度で、特に組み立て用の部品を造形する際にはとても重要になります。現状のプリンターは、積層が微妙にずれて表面が荒れたり、コンマ数ミリ+公差にずれたり、反りによって歪んだりと積層ピッチ以上に寸法精度の問題が多いのが実情です。



Warp(反り)

造形部品の反りの問題については保温チャンバーを備えた機種がしばらく前から登場するようになってきました。中でも本格的なのはRepRap Industrialで、70℃に保温できるチャンバーを備え、ABSを反りなしで造形できるとのことです。4,990€と高価ですが…

剛性の確保

寸法精度に悪影響を与えるもう一つの要因は剛性の不足です。高速で動く造形ヘッドの慣性は、剛性が不足しているプリンターのフレームを歪めてしまいます。金属製フレームやボックス構造の他に、送り機構をタイミングベルト(高速な送りが可能だが剛性面では不利)から送りネジに変更したプリンターも登場しました。

クローズドループ制御

現在ほぼ100%のプリンターがステッピングモーターを使っていますが、DCサーボモーターを使った物(RAPPY)も登場しました。DCサーボは位置フィーフォバックの仕組みを備えるため、フィラメントの引っ掛かりや振動で造形ヘッドの位置が狂いにくくなります。

信頼性の改善

RoboxMakerbotの第5世代機はフィラメント切れの検知機能を備えたエクストルーダーを搭載しています。フィラメント切れを検知した段階で造形を一時停止し、造形の失敗を防止してくれます。

また、造形テーブルの自動レベリング機能はよく搭載されるようになりました。信頼性と使い勝手の向上が期待されます。

続々と登場する高機能素材

2012年にはABSとPLAぐらいしか無かった3Dプリンター向けフィラメントですが、続々と新しい素材が登場しています。

ナイロンや木材風フィラメントを皮切りに、PET、ポリスチレンといった代表的な樹脂から、高機能な素材も登場するようになりました。

MarkOne 3Dプリンターはカーボンファイバーでナイロンを補強できる3Dプリンターとして話題になりましたが、カーボン以外にもグラスファイバーとケブラーのフィラメントもラインナップにそろえるようです。

ProtoPastaはカーボンファイバーで補強されたPLA、熱で柔らかくなるというPLAの弱点を改善した耐熱PLA、強度に優れるPC-ABSフィラメントを準備しています。

PolymakrのPolyMax PLAはどのように強度を改良しているのか明記していませんが、ABSを凌ぐ引っぱり強度と対衝撃性能があり、機械部品用途に魅力的です。他にもノズル詰まりを起こしにくいPolyPlusや柔らかさが売りのPolyFlex、木材風のPolyWoodがあるようです。

Arevo Labsからはカーボンファイバーフィラメントだけでなく、カーボンナノチューブフィラメントがリリースされると言う発表がありました。PEEKやULTEMといったスーパーエンプラとの複合材のようですので、かなり高価な物になるでしょうが…

Laywoo-D3の作者Kai Parthyはセラミック粉末と樹脂を混合したフィラメントを発表していました。PORO-RAYシリーズもいろいろ用途がありそうです。

2014年はRepRap機の高性能化に期待

昨年、MakerbotがStratasysに買収されたというニュースが流れたときには、正直Makerbotや3D Systemsといった大手の一人勝ちになるのかとも思いましたが、まだまだ興味深いプリンターが続々登場しています。

オープンなRepRap系3Dプリンターは、そのオープンさのおかげで様々なアクターが多様な技術を投入しています。下手にクローズドな方向へ舵を切った3DプリンターはRepRap機の発展に取り残されてしまうのではないかと思うほどです。

2014年の3Dプリンターの動向はMAKERムーブメントの観点からも興味深い物になりそうです。

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