2014年2月25日火曜日

CNCミルをデザインする - ミルの構成を考える

CNCミルの構成に付いてのメモです。正直なところ、情報の多い話題なのでざっくり検索していろいろな自作CNCミルの記事や写真を見た方が早いかもしれません。

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φ2mmエンドミル

ただ、それだけではなんなので、個人的なポイントを3点。

1. ヒザ型か門型か

位置決めの際、スピンドルを動かすか、加工テーブルを動かすかで門型とヒザ型に分かれます。DIYのCNCミルの多くは門型です。ShapeOkoが良い例ですね。ヒザ型は(産業用フライスでは多いんですが)あまり見かけません。



一般的に、門型はXY軸の加工面積を大きく取りやすいため、板物の加工に向いていると言われます。一方、ヒザ型はZ軸のストロークを大きく取りやすいため、立体物(ブロックとかシリンダ形状)の加工に向いていると言われます。

DIYで門型が多いのは、板材の切り出しに使いたい人が多いということ以外にも、Z軸のストロークを大きくしても剛性を確保しないと掘込み深さがとれず、せっかくのメリットを活用できないという問題があります。ヒザ型の場合は汎用のヒザ型フライスを改造してCNC化することが多いようです。

(ref)門型(Router)とヒザ型(Knee Mill)の違い (en)

2. 位置決め機構

位置決め機構の選択肢はタイミングベルト方式か送りネジ方式かの2択になります。

タイミングベルトは高速な位置制御が可能で静音性に優れます。一方で剛性に劣るため切削抵抗が大きい場合は加工精度で不利です。またプーリーの円周(数cm)÷ステッパーモーターの分解能=位置決め精度になるため、ネジピッチ(数mm)÷モーター分解能=位置決め精度となる送りネジ方式より精度が劣ります。

送りネジ方式は剛性に優れますが、騒音や送り速度でタイミングベルトに劣ります。台形ネジ、JISネジとも入手が容易なことも利点です。高速な送りを実現するには、ネジのリードが5mm以上の大きい物が必要ですが、入手はやや難しくなります。騒音は樹脂ナットを使用することでかなり低減します。

ボールネジは高速な送りが可能で静音性に優れる等、良いこと尽くめですが、高価で入手も困難です。

コスト的には送りネジ<タイミングベルト(ベルトは安価ですがプーリーが高価です)<ボールネジとなります。

3. 素材

最後はCNCミルの構造を何で作るかです。実にいろいろな素材の作例がありますが、よく使われるのはMDF、アルミフレーム、鋼でしょう。

MDFは加工が容易で入手性がよく安価です。一方で、水に弱く強度も優れているとは言えません。

アルミフレームは加工が難しいですが、強度に優れます。通販があるので入手性も悪くなく、価格はお手頃です。

鋼材は強度では申し分無いのですが、基本的に加工は外注頼みになります。個人対応をしてくれる業者を探す手間と費用はそれなりに覚悟した方が良いでしょう。重くなるのも問題です。

鋼材を使うコストに見合ったCNCミルを設計するには、それなりのスキルが必要と思いますので、通常はMDFやアルミフレームがよいかと思います。

そして、現在私が試作中なのが3Dプリント部品を使ったCNCミルです。RepRapのように、アルミフレーム材と3DプリントされたPLA樹脂製の部品を組み合わせて構築しています。強度的には木材とそれほど変わらないはずですが、大きなメリットがいくつかあります。

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3Dプリントで造形したZキャリッジ

まず、部品のサイズ、構造を自由にデザインできるため構造的な強度を確保しやすいこと。MDFならば板材を組み合わせて作らないと行けないようなボックス構造も一体造形できます。CNC用に造形したフレーム部品は体重60kg以上の私が乗っても大丈夫です。

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乗っかっても大丈夫です。

次に、寸法精度を確保しやすいため、組立が容易なことです。手作業のようにmm単位でズレがでることはありません。組立調整作業はかなり楽です。

欠点は耐熱性でしょう。特にPLA樹脂は精々が50度程度ですので、ステッパーモーターが過負荷になると発熱で壊れる恐れがあります。正直なところどの程度の問題があるかは見切れていませんが、断熱材を使う、過負荷にならないよう余裕のあるモーターを使う、ABS樹脂でプリントする、等の対応が必要と思われます。

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