2013年12月17日火曜日

CNCミルをデザインする - 主軸のデザイン(2)

だいぶ間が開いてしまいましたが、主軸のデザインの続きです。今回はモーターを選定します。

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RC用ブラシレスDCモーター

ちなみに、前回デザインと言いつつ具体的な形状の話は一切入りませんでしたが、「CNCミルをデザインする」編ではほとんどこの調子です。こういう機能が欲しいからこんな性能が必要だねーという話(今回ならアルミ削るにはどんなモーターがいるの、とか)がだらだら続きます。CADのモデリングとかはまだ先です…

ただし、私は完全に素人ですので、教えてもらったり調べたりしながら書いています。そのため内容が正しいかは保証できないのですが… ここに書いた内容は、今現在私がこう考えてCNCミルをデザインした、という記録ですので、あとから間違ってました、という可能性もなきにしもあらずですのでご了解ください。



1. モーターの方式

さて、モーターを選定します。ちなみに今回選定したモーターはこれです。

モーターと言っても交流か直流かなど様々な方式がありますが、今回はブラシレスDCモーターと呼ばれる種類のモーターを選定しました。DC(直流)モーターが最も扱いやすいのですが構造上騒音が大きいため、比較的低騒音(お家で使いやすいCNCミルが目標ですので…)と言われるブラシレスDCを選択しています。ラジコン用等で流通しており、入手が容易なのも長所です。

ACモーターと同様、動かすのに制御基板が必要ですが、ESCと呼ばれるラジコン用のものが安価に入手できます。そして、ESCはArduino等から制御可能です。

ちなみに、Kickstarterで話題になった卓上CNCミルのothermillもRC用ブラシレスDCモーターとESCをTinyGから制御しています。

2. 能力と電力消費

モーターの能力はW(ワット)で表記されますが、これは消費電力とほぼイコールです(概ね消費電力の8割〜9割が実際の能力になるようです)。産業用の本格的な工作機であれば数千から数万ワットクラスの主軸を備えていますが、卓上機では10W程度のものもあります。

高Wであるほど高性能なのですが、次の2つのポイントで限界があります。まず、高能力のモーターを選定した場合、それに耐える高い剛性をもった構造が必要になります。今回樹脂部品で作成するため、高能力のモーターを選定すると構造が耐えられなくなる恐れがあります。2つ目は、自宅のブレーカーです。電子レンジや瞬間湯沸かし器を動かしつつ、2KWクラス(20A)の主軸をまわすのはあまり現実的でないかと思われます。快適に使うにはCNCミル全体(ステッパーモーターも含んで)で数百ワット程度が望ましいでしょう。

というわけで今回は100Wクラスのモーターを選定します。

3. 回転数とトルク

同じワット数のモーターでも、回転数重視型とトルク重視型があるようです。高回転型であればトルクが小さく、高トルクであれば回転数が低くなります。

CNCミルの主軸として考えた場合、同じ量の素材を削る場合、高回転型は素材を薄く何回も削り取ることになります。一方で高トルク型は素材を分厚く数回で削り取ることになります。

従って、高トルク型の方が切削抵抗が大きく、頑丈な構造が必要になります。前回の記事で書いたように、剛性に限界があるため、高回転型のモーターを選定します。

4. 加工能力の計算

さて、では目標である軽金属を切削するためには、どんなモーターが必要になるのでしょうか。

適切な回転数については切削速度を考慮します。切削速度はエンドミルの刃先の速度で、例えばアルミであれば100m/s〜200m/sが目安のようです。使用するエンドミルの径と回転数が分かれば切削速度が計算できますので、自分が使いそうな工具径から回転数のあたりを付けます。

必要なワット数については、計算式から求める事ができます。所要動力の計算式とよばれるものです。切り込み深さ、1刃あたりの送り、素材の比切削抵抗から必要なワット数が計算できます。これも自分がしそうな加工からあたりをつけて、必要なワット数を判断します。自分が使いそうな素材厚さや、切断メインなのか彫り込み/3次元加工が多いのかで変わってくると思います。

ただし、所要動力の計算式はトルクが足りていない時があるようなので、そちらもチェックした方がよいと思われます。

計算の詳細はGoogleスプレッドシートにまとめていますので、そちらをどうぞ。

5. 高回転型のデメリット

高回転型のデメリットは工具寿命が短くなることです。同じ量の素材を削り取るのに何回も切削するので当然なのですが、刃物の費用も馬鹿になりません。エンドミルは安価な物で1本500程度〜 高価な物であれば0が一つ二つ増えます。

少しでも工具寿命を延ばすために、エアブローによる冷却を検討します(切削液で冷却するのがもっとも効果的ですが、構造が複雑化するので)。

ちなみに、今回12Vモーターを選定したのは失敗でした。最終的に24V系でステッパーモータを動かすことになったため、今回2系統の電圧が必要になってしまいました。言わずもがなですが、本来は統一した方が良いです。勉強しながら作っているので、どうしてもこういう事がおこってしまうのですが…

(Ref.)

Hobby King - ラジコン用モーターとESCはここから調達

オリエンタルモーター - 高トルク/低回転型のブラシレスDCがあります。ステッパーモータもここで買えます。

三菱マテリアル - 刃物メーカー。主軸能力の計算式があります

Fun Projects of Various Types - ESCをArduinoからコントロールする方法

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