2013年4月29日月曜日

Taulman618をReplicator2で試す

Taulman618はアメリカのTaulman3Dによる3Dプリンター用ナイロン系素材です。

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Taulman618ナイロン

一般的にFDM方式の家庭用3Dプリンターで使われる素材はABSとPLAの2種類ですが、Taulman618はいずれとも異なるナイロン系の素材です。ABS/PLAと比べると、しなやかで弾力がある素材です。オーストラリアの業者から個人輸入で入手したので、早速Replicator2で試してみました。



不幸な事に私が入手したのはスプールに巻かれていない束の618(現在はスプールに巻いたものに切り替わりつつあるようです)ですので、空のスプールに巻き取ってやる必要があります。これがなかなか大変な作業で、絡まったフィラメントを解きながら30分。しなやかな素材のため、PLAであればパキッと折れてしまうようなねじれ方をしても折れる事が無いのには感心しました。

まずはPLAの設定のまま、Mr. Jawsを印刷してみます。印刷中は殆ど匂いもなく扱いやすい印象です。まれに煙のようなものがでますがメーカーによるとフィラメントに含まれる水分が水蒸気になったもので無害とのこと。

うまくいったように見えたのですが、レイヤーとレイヤーがしっかりとくっ付いておらず、ツメを押し込むと裂けてしまいます。

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エクストルーダー温度が低いとレイヤー間が接着しない

エクストルーダーの設定が230℃だと、温度が不足しているようです。次に240℃に設定して印刷。公式で推奨されている温度は245℃。海外のフォーラムをみると250℃程度で印刷している人も居るようですが、Replicator2の推奨が240℃までのようなので、まずは240℃で出力してみます。

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印刷物はPLAに比べてしなやかだが、ゴムのように柔らかい訳ではない。口の中にヒゲのような印刷時のゴミが見える

今度はしっかりとレイヤー間がくっ付き、裂ける事はありません。しかし、反りはかなりでています。PLAであればこのサイズの出力物にはほとんど反りが出ないのですが、618では2〜3mmは反っているようです。イヤーラフトなど対応策を考える必要がありそうです。

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反った印刷物に引っ張られてマスキングテープがプラットフォームからはがれている

Taulman618についてまとめるとこのような感じです。

良い点

・機械的特性が良好(PLAと同等の強度だが、弾力性に富み対衝撃性は非常に優れる。PLAのように脆くない)
・加温式の印刷プラットフォームが無くても印刷可能 
・匂いが殆どない。通常のナイロン系素材で問題になる有毒な煙も発生しない 
・RepRap系プリンターで幅広く使用実績あり 

悪い点

・PLAより低い温度で軟化する(約50℃、PLAは約60℃)
・印刷温度がやや高い(推奨245℃)
・反りが激しい(Garoliteまたは木の表面に印刷する事で改善するとの情報あり)
・色のバリエーションが無い(現状ナチュラル1色のみ)
・国内での入手が困難(個人輸入は送料が高価) 

印刷自体はReplicator2でも特に問題もなく可能でした。ただし、当然公式にサポートされた素材ではありませんので、使用される場合は自己責任となります。

反り対策が課題ですが、用途によっては非常に有用な素材です。機械系部品を作りたいと言う人には検討の価値があるでしょう。

なお、Taulman 3Dはバリエーションとして645という透明素材の開発を発表しています。正式な発売はまだですが、こちらも要チェックです。

(Ref.)

Taulman 3D
618の発売元。直接注文する事も可能な他、各フィラメント業者からも購入できる。現在は645を一部のユーザに先行販売・テスト中

Taulman 645
新しい645とよばれる素材。透明で高強度なほか、光を拡散する性質がある様です。これもナイロン系。

Tie-Dye 3D printing with Nylon 618
618を染料で染めてカラフルな印刷をしています。ナイロンですから染料は色々ありそうですね。

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