2013年3月16日土曜日

Replicator2バネ式エクストルーダーへのアップグレード

こちらの記事で紹介したバネ式エクストルーダーを導入しました。導入方法と使用感をレポートします。

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バネ式エクストルーダー

なお、このバネ式エクストルーダーはMakerbotが公式に改良したバージョンが別にあります。バネとネジなどがセットになったアップグレードキットが$8で販売中です。私がオリジナルで作成しているのは公式キットが発表になった時、既に部品を準備済みだったためです。

Replicator2のエクストルーダーには使っているうちにプランジャーが緩んだり、フィラメント径が一定でないとプラスチックの吐出不良がおこるという問題があり、バネ式エクストルーダーはその対策として登場しました。ユーザーによるものも、公式のものも自作する必要がありますが、市販されている部品と、ThingiverseからDLしたデータを印刷した部品で組み立てる事ができます。



1. 準備するもの

a. データおよび印刷プロファイル

Thingiverse

Thingiverseのページ。他のユーザーの設計/アイデアを作者が改良した事が分かる。これをさらにMakerbotが採用した訳で、MAKERで書かれていたWebコミュニティによる開発プロセスを実感した

ベース、アーム、ピンの3つのプラスチック部品データをThingiverseのページからDLします。アームは指で押さえるバーがついているものがおすすめです。バージョンはv7が3/16時点で最新です(私が作成したのはv6)。ベースにフィラメントガイドが追加されたようですね。なお、このページに印刷条件や必要となる部品、組み立て方法が詳細に説明してあります。

上のページで指定されている印刷方法でプリントアウトするために、印刷プロファイルをこのページからDLします。必要な印刷プロファイルは100micron Profileです。印刷条件がReplicatorGで指定されているため、MakerwareではなくReplicatorG用のプロファイルを使用します。

b. バネ、ネジ、ベアリング

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用意した部品。ボルトはオリジナルから別に流用する

バネはこちらをネット通販で購入しました。スペック的にオリジナルとなるべく近いものを選んだつもりだったのですが、結局長過ぎて切断して使用しました。きちんと調べなかったのが失敗ですね。

ネジはM3×10mm(8mmもしくは12mmも可)の六角穴付き(私は六角穴付きを入手できなかったのでプラスを使いました)皿小ネジが2本です。200円程度で東急ハンズで購入。

ベアリングはこちらをネット通販で購入。おそらくオリジナルで使っているものと同じ規格です。

2. プリントと仕上げ作業

データとプロファイルを入手したらReplicatorGを使って出力してやります。アームとベースは0.15mm積層で100%infillで出力。ピンは0.1mm積層で100%infillで出力します。1個づつ出力して2時間ちょっとぐらいかかりました。

出力したパーツの穴は、印刷時の歪みで奇麗な円になっていません。問題なく組み立てられるように仕上げてやる必要があります。特に左上のベースとアームをピンを通してつなげる穴は、回転部になっているため重要です。

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組み立てた状態。きちんと組み立てるまでは、ピンで穴を摺ってみたり、ヤスリがけしたりと意外に手間がかかる。家庭用3Dプリンターの精度だときちんと組み上がらず、仕上げ作業がどうしても必要になる

私はヤスリで削って仕上げましたが、M6またはM8のリーマなどで削るのがよいようです。余分にピンを印刷して、それをねじ込んで仕上げてもよいと元記事に書いてあったのですが、私はこの方法はうまくいきませんでした。

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デザインナイフでサポートを除去。カッターが必要なのはここ位で、他の場所はもっと簡単。自動生成のサポートよりも簡単に処理できる

アームとベースにはサポートが付いていますので、カッターなどで取り除いてやる必要があります。

3. 組立

部品がそろったら組立をしてやります。まず、エクストルーダーからフィラメントを抜きます。冷えてファンが停止したら電源を切り、Replicator2からエクストルーダーのモーターを取り外します。

モーターに付いているプランジャー部を分解して取り外します。分解したボルトのうち1本は転用します。

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分解したプランジャー部。モーターの軸脇にある赤いOリング、ナット、円柱部品からなる部品がプランジャー

アーム部分にベアリングを取り付けます。ポケットにベアリングを滑り込ませ、M3×10のネジで固定してやります。

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ベアリングの取り付け

ベースを嵌め込んでやります。クリアランスが結構ギリギリなので、押し込んでやる必要がありました。樹脂部品なので、クリアランスは個体差が大きいかもしれません。はまったらM3×10のネジで右上を固定します。

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ベースを嵌め込んだ状態。この後、右上をM3×10mmのネジで固定してやる

バネは3巻分(30mmを23mm程度へ)切断します。ペンチで切れます。

アームとバネを取り付けつつ、ピンでベースと結合してやります。バネを押さえ込みながら作業します。最後にピンにオリジナルに付いていたボルトを取り付けて完成です。

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組み上がったバネ式エクストルーダー

これを最初と逆に本体に組み付けてやります。フィラメントをロードするときには、アームのツメ部分を押し下げてやりましょう。

4. 使用状況

プラスチックの吐出不良による印刷失敗は劇的に減りました。JMB-UGでも結果良好と言うレポートが寄せられています。プランジャー方式のエクストルーダーですと、下の写真のような吐出不良があったのですが、バネ式に変えてからはありません。むしろ吐出過多なのではないかと思う事がある位です。

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プランジャー式エクストルーダーで印刷した際の吐出不良の例。親指部分のプラスチックが細くなり、レイヤー間が接着していない

心配なのはPLA製のため、熱に弱い事です。実際、海外フォーラムでは12hの長時間印刷を行った場合に、熱で柔らかくなり吐出不良になったとの報告がありました。これから夏に向かって気温が上昇しますので、長時間印刷は問題が起こるかもしれません。

ちなみに作者のwhothomas氏によると、熱で歪んだ場合はお湯に1分ほど浸けて柔らかくし(ベアリング部は濡らさないこと)手で歪みを矯正すればOKとのことです。

どうしても不安な場合はアルミで切削すると言う手も。

最後にwhpthomas氏に感謝を! Thank you for the great work!!

2 件のコメント:

  1. 情報ありがとうございました。
    ギター弦状に縦線が並んでしまい隣とくっつかない現象について
    やはり本体の加熱と吐出口にABSのカスがついてしまうことで起きるようです。

    ハンダゴテをきれいにする要領でヘッド加熱中に
    湿った布で吐出口の外側の焦げたかすを根気よく軽い力で
    擦り取るのが良いようです。

    焦げたカスも柔らかくなるので取りやすくなります。

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  2. 情報ありがとうございます。
    ノズルヘッドの汚れ、ある程度なら問題にならないんですが酷くなると困りますよね。
    たまに濡らしたキッチンペーパーでこすっていたんですが確かに布の方が良さそうですね。

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