2013年1月13日日曜日

AVM - 米軍が目指すモノ作り革命(後編)

AVMに関する記事の後編です。前編はこちら

DARPA FANG Challenge 1 Mobility Drivetrain Guidelines

Photo by DARPA



 

 3. METAで設計したデータはiFABで製造

IFab

Photo by DARPA

さて、META Toolsを使いつつ、VehicleFORGEでみんなで戦闘車両を設計したとして、最後には実際に製造する必要があります。

 METAで設計されたデータからモノを製造する工場がiFAB (The Instant Foundry Adaptive through Bits) です。名前の通り、METAで設計されたデザインを受け取って、迅速に様々な製品を作り分ける事のできる工場です。極論すれば巨大で複雑で何でも作れる3Dプリンターのイメージでしょうか。

とは言え、3Dモデルのデータを入力すれば(一応は)動く3Dプリンターと違って、複雑な組立製品は設計データを受け取ってすぐに製造する事はできません。製造方法を検討し、部品を発注し、CNC工作機の作業プログラムを作成したり、組立や検査の手順を立案してやる必要があります。

普通であれば多数のパーツを含むモデルライブラリとその組み合わせの製造方法を計画するのは膨大な作業になります。iFABでは、この作業をソフトウェアで処理するために、製造プロセスのモデル化を利用した半自動的な製造計画作成手法の開発をおこなっているようです。VehicleFORGEで各チームが設計した部品のコストや製造方法の評価を1日に数千部品という単位で行ったり、最終的な車両の製造計画をMETAによる設計データを受け取ってから1週間程度で立案したりするなどの野心的な目標が設定されています。

残念ながらiFABについては具体的にどのように自動化を行うのか、詳細がはっきりしていません。個人的には無茶な要求だと思うのですが、実現すればまさしくFactory of the Futureな自動工場と言えます。

4. 開発された車両は海兵隊向け装備として検討

FANG

Photo by DARPA

実際にはFANGによる装甲戦闘車両の開発は3段階に分かれています。第1段階でエンジンと走行装置などの足回りを開発し、第2段階で車体シャーシと装甲、第3段階で全体の開発をおこないます。

最終的に選定されたデザインはiFABで試作され、海兵隊向けの装備として他の候補(おそらく従来の方式で開発されたもの)と一緒にテストされる予定です。

5. 究極のモノ作り革命?

AVM計画はMETA、iFAB、VehicleFORGEと革新的な要素の塊ですが、うまくいけば兵器開発だけでなくモノ作り全体へのインパクトも大きいでしょう。コミュニティベースの開発はノウハウやアイデアの共有を促進し、モデルベースデザインは設計開発を容易化し、3Dプリンター的半自動工場は製造を手軽に利用できるようにします。これらは個人や小規模なモノ作りにとっても有益ではないかと期待してしまいます。AVMが目指しているのは究極のデジタルファブリケーションだとも言えるのです。

とは言え、革新的なこの計画、革新的すぎて転ける可能性も非常に大きいと思うのですが…

(Ref.)

DARPA - AVM計画の公式ページ

VehicleFORGE.org - ウェブコミュニティ/クラウドベースのFANGプロジェクト用設計開発サイト

ars technica - DARPA's factory of the future looks like open source development
AVM計画の概要について紹介した記事

YouTube - FANG Challenge: Design Next Generation Military Ground Vehicle
FANGの公式紹介動画 

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