2012年11月22日木曜日

3Dプリンターの解像度をもう少し詳しく調べてみる

最近、よく積層痕についてネットで話題になっているようです。3Dプリンターは立体の断面を平面に印刷し、その層を積み重ねて立体を造形しますが、積み重ねた層の段が積層痕として残ります。これが結構目立つため、なめらかな表面をしたプラスチック製品に慣れた私たちの間隔からすると、「汚く」見えてしまうのです(積み重ねる層の厚さが薄ければ薄いほど、積層痕は目立たなくなります)。私たちは解像度という言葉から表面の滑らかさを期待しますが、3Dプリンターの解像度というのは実際どのようなものなのでしょうか。

FDM by Zureks

調べてみると、3Dプリンターの「滑らかさ≒解像度」には3つの要素があるようです。



 

 

 

1. 積層の解像度

もっとも一般的に言及される解像度がこれです。印刷する1層の厚さが厚ければ厚いほど表面が粗くなるというのは理解できるのですが、実際どのような感じなのでしょうか。

低価格3Dプリンターのほとんどを占めるFDM方式(プラスティックの紐を溶かして、ノズルから押し出して印刷していく方式)で最も解像度が高いのはMakerbotのReplicator2の0.1mmです。0.1mmというと、われわれの身の回りの物で言えばコピー紙の厚さがだいたい0.1mmぐらいです。結構薄いような気がしますが、ためしにコピー紙の束か、本のページを重ねて斜めにしてみてください。以外と粗い表面なのが実感できると思います。

写真

ただし光造形方式を採用しているForm1は積層解像度が0.025mmと高いため、出力品のサンプルを見ても結構滑らかです。積層の解像度を製造業で使う表面粗さに(適当に)当てはめると、0.1mmは「荒仕上げ」ですが、0.025mmは「並仕上げ」となり1段上の滑らかさになります。

2. 平面の解像度

層の厚み以外にも横と奥行方向の解像度もあります。しかし、少し分かりにくい事にここには2つの要素が絡んでいます。

1つ目は印刷位置の精度です。Replicatorをはじめとしする3Dプリンターは平面方向について0.011mmの精度で制御できるとうたっていますが、Solidoodleによれば実際に期待できる精度は0.1mm程度との事です。ただし、縦方向と異なりプリントヘッドが滑らかに動くため、積層痕のように段差が生じることはないようです。ここでもForm1は1段上で、Formlabsによれば平面方向の精度は「数ミクロン」、つまり0.003〜0.004mm程度とのことです。低めにみても0.01mm程度は期待できるのではないでしょうか。  

2つ目は最小造形サイズです。FDM方式はプリントヘッドから押し出される溶けたプラスチックの太さが、光造形方式では樹脂を硬化させるレーザー光の太さが造形できる最も小さなサイズになります。MakerbotのReplicatorであればプラスチックを押し出すノズルの径は0.4mm。溶けたプラスチックが広がる事を考えればもう少し大きいかもしれませんが、それ位のサイズの円が最小造形サイズになると思われます。Form1の場合はレーザー光の太さから直径0.3mmの円が最小造形サイズになります。

この2つをあわせると、例えば位置精度が良好であれば0.1mmの溝が作れるが、最小造形サイズが大きいため0.1mm厚の壁は作れない、というのが3Dプリンターの平面方向の解像度ということになります。

3. ゴミ

FDM SL

最後の問題はゴミです。Form1の比較サンプル(上写真)をみると、造形物にヒゲやダマのようなゴミがついているのが分かります。これは溶けたプラスチックが意図したところで切れずに残ってしまったゴミのようです。また、複雑な形状を出力する際はサポートと呼ばれる支えを一緒に出力しますが、これを剥がした痕も問題になります。ゴミとは言えプラスチックなので、3Dプリンターを使っている人の感想等を読むと、除去するのも結構手間なようです。

こうしてみると、3Dプリンターによって出力された造形物の「解像度」はあまり高くない事が分かります。我々が普段目にするプラスチック製品は射出成形という方法で作られており、非常に滑らかな表面を持っています。射出成形で作られたプラスチック製品に慣れた目からすると、低価格の3Dプリンター、とくにFDM方式の解像度は満足のいく物では無いかもしれません。しかし、解像度はあくまでも1つの指標です。それにどんな価値を置くかは使う人次第でもあります。

(参考)
積層痕や解像度については実際に3Dプリンターを活用されている方のブログが非常に参考になります。ぜひ覗いてみてください。

ATM-Factory -  3D SystemsのCube3Dでフィギュアの出力をしておられます。

DAMETA@1/144 - Shapewaysを利用してWW2の兵器のモデルを作成・販売しておられます。

(嘆き)

…ところで私のReplicator2はまだ出荷されないのでしょうか>Makerbot

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