2012年11月16日金曜日

3Dプリンターで可能になる"工房"スタイルのビジネス

デジタル・ファブリケーションによって個人によるモノ作りが可能になる、と言われていますが、それは具体的にはどのような形になるのでしょうか。1つのビジョンはMakerbotのCEO、Bre Pettisが言っているようなホーム3Dプリンティングでしょう。各家庭に3Dプリンターが普及し、iTunes Storeのようなオンラインショップから欲しい物の3Dデータをダウンロードして印刷するという未来です。しかし、もう一つの方法は3Dプリンター等のデジタル工作機を活用したビジネスです。

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3Dプリンター自体は昔からありましたが、その使われ方はラピッド・プロトタイピング(RP)と呼ばれる試作品の制作でした。製造メーカーは製品を開発するにあたって試作品の製造を行いますが、数個の試作品を作るためにプレスやプラスチックの金型を作成するのは高価なだけでなく時間もかかります。3Dプリンターを使えばすぐに試作品をオフィスで作る事ができ、試作のコストと時間を大きく削減する事ができます。

しかしデジタル・ファブリケーションによって3つの可能性が出てきたように思えます。1つめは業務用の3Dプリンターを試作ではなく製造に使い、多品種少量生産を低コストで行うビジネスです。今までの工場の中身が従来の工作機械から3Dプリンターなどのデジタル工作機に置き換わると言ってもいいでしょう。3DプリンティングサービスのShapewaysなどがこのモデルに当てはまります。彼らがNewYorkに開設した"Factory of Future"にちなんで、Future Factory(未来の工場)と私は勝手に呼んでいます。2つ目は従来と同じく3Dプリンターを試作に使いますが、自社工場を持たず製造を外部委託するRP + Fablessなモデルです。レゴのおもちゃを作っているBrickArmsなどがこのグループです。最後の3つ目が"工房"です。モノ作りのノウハウやデザイン等を売りにして、個人向け3Dプリンターやレーザーカッター等を使って製品を製造するやり方です。Future Factoryに比べると小規模な資金で実現できます。

RP + Fablessなビジネスについては「MAKER」でも紹介されていたのですが、"工房"モデルと言えるビジネスについてネットの記事を見つけたので紹介してみます。

Pixil 3Dは顧客のアイデアスケッチを3Dモデル化し、プリントするサービスです。3DプリンターとしてMakerbotのReplicatorシリーズを使っています。3Dモデリングにはある程度の訓練が必要ですので、自分でそれをすることが難しい人のためにこうしたサービスを提供するというのは需要がありそうです。3Dモデルを作れなかったり、製造の際の素材や形状等の制約を知らなかったりする顧客のアイデアを実現可能な形に具体化する一種のコンサルティングサービスと言えます。

ARCHTYPE Zは3Dプリンターやレーザーカッターを使ってジュエリーを制作しています。(ただし自前の3Dプリンターではなく3Dプリンティングサービスを使っているようです)おしゃれにデザインされた手頃な価格の製品への需要ってかなりあると思うのですが、デジタル・ファブリケーションによって少量生産の製造コストが低下する事で、個人でもビジネスとして成り立たせることができるようになってきています。

RP+FablessのMAKER的なビジネスに加えて、こうした”工房”ビジネスも盛んになってくるといいですね。作ってほしい物があるときに相談に乗ってくれるモノ作りコンビニや、街のパン屋さんのようにお店の裏でモノ作りをする街の小物屋さんなんて想像してみるとワクワクします。モノ作りの地産地消なんてのもありうるかもしれません。

YE - The 3D Printing Craze Hits Young Entrepreneurs

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